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水質の指標シリーズー残留塩素について

更新日:2022年5月20日

はじめに 水道法では、水道水を水源とする場合の飲料水は、一般細菌、大腸菌、塩化物イオン、全 有機炭素量(TOC:Total Organic Carbon)、pH、味、臭気、色度、濁度および遊離残 留塩素に基準値が設定されています。今回は、遊離残留塩素についてご紹介します。 残留塩素 水道水には、殺菌を目的として、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、液化塩 素が添加されており、蛇口からの遊離残留塩素濃度は0.1 ppm 以上であることと規定さ れています(ただし、微生物に汚染された、あるいはされる可能性が高いと判断された場 合には、0.2 ppm 以上)。また、公衆浴場等の浴槽水からのレジオネラ菌類に対し、厚 生労働省から浴槽水中の遊離残留塩素濃度を一日1~2 時間の間、0.2~0.4 ppm の範囲に 維持・管理するよう指針が出されています。 浴槽水には汗や皮脂などの人由来の排出物 が入ってくる場合がありますので、これらと結合した塩素(結合残留塩素)となります。 遊離残留塩素は殺菌性が高いですが残留性が低く、一方、結合残留塩素の殺菌性はあまり 高くないものの残留性が高いことが知られています。モノクロラミンはアンモニアと塩素 が1:1で結合したもので、結合塩素の一つですが、残留性が高いので殺菌消毒用途で用 いられるようになってきています。モノクロラミンを用いる利点としては、水道水特有の カルキ臭(塩素系殺菌剤由来の臭い)が少ないことと、トリハロメタンや四塩化炭素など の有害物を生じないことなどが挙げられます。余談ですが、プールなどで独特の臭いがす る場合がありますが、これは、尿中のアンモニアと次亜塩素酸が反応して生じる揮発性の トリクロラミン(三塩化窒素)の臭いと言われています(図参照)。


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