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ジーンズの青色「インディゴ」に量子化学計算で迫る(色の解析)

  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

1.はじめに


可視領域の吸収スペクトルの予測は、量子化学計算でよく行われている解析の一つです。材料(例えば、染料・顔料・EL材料など)の色彩の予測や設計などの用途が考えられます。今回は、ジーンズの青色染料の成分である「インディゴ(Indigo)」を取り上げ、量子化学計算による吸収スペクトル解析を行います。


ジーンズ

2.インディゴ(Indigo)


インディゴは、ジーンズの染料として使用される青色の染料で、インド藍などの葉から抽出された成分を由来としています。日本の藍染め青色も同じ成分で、タデ科の植物から抽出されたものが使用されているそうです。現在では化学合成で大量生産されており、ジーンズなどには、合成のインディゴが使用されています。


インディゴの化学構造は図1であり、2つのインドール環が中央の二重結合で結ばれたトランス構造をしています。

図1 インディゴの化学構造
図1 インディゴの化学構造

3.量子化学計算による吸光スペクトルの解析


インディゴの分子モデルを作成し、構造最適化計算を行った後、TDDFT計算でUV-Visスペクトルを求めました。結果を図2に示します。今回の計算では540nm付近をピークとした大きな吸収があることが分かりました。今回の計算でこの赤色の波長の吸収の結果、補色である青色に見えると考えられます。実測ではインディゴは600nmに大きな吸収があるとされています。今回の結果は、少し短波長側にシフトしていますが、エネルギー的な誤差は11%程度であり、定性的な判断においては許容範囲であると言えます。また今回の計算では、溶媒効果を入れていませんのでこの影響で波長のシフトが起こっている可能性が考えられます。


図2 インディゴのUV-Vis吸光スペクトル計算結果
図2 インディゴのUV-Vis吸光スペクトル計算結果

図3にインディゴのHOMO、LUMOの結果を示します。分子全体に軌道が広がっていることが分かります。このことによってインディゴは赤色の長波長の光を吸収し、補色である鮮やかな青色に見えることが分かります。


図3 インディゴのHOMO、LUMOの計算結果
図3 インディゴのHOMO、LUMOの計算結果

4.まとめ


今回は、ジーンズや藍染めで身近な染料であるインディゴを取り上げ、量子化学計算で吸光スペクトルを求めました。今回は、簡単な解析にとどめましたが、詳細な色の解析やUV領域の吸収、基底状態と励起状態の位相や軌道の広がりなどからも解析が可能です。詳細については、ぜひお問合せください。


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技術資料<ジーンズの青色「インディゴ」に量子化学計算で迫る>


今回の記事の内容に加え、さらに詳しい解析結果を資料にまとめました。

記事で紹介したスペクトルの解析に加え、分子軌道の解析や置換基を加えた場合の色の変化などについても解析しています。ぜひ、ダウンロードしてご覧ください。


ー 目次 ー

1.はじめに

2.インディゴ(Indigo)

3.量子化学計算による吸光スペクトルの解析

4.置換基導入による色の変化

 インディゴに臭素を導入したティリアンパープルの解析

5.インディゴとティリアン・パープルの分子軌道

 分子軌道からインディゴとティリアンパープルの違いを検討

6.まとめ



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