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「くまもとの水」シリーズ(1)―熊本の水の魅力

更新日:2022年5月27日

熊本は九州山地の西側に位置しており、また阿蘇山とその外輪山が東に位置しています。阿蘇のカルデラや外輪山は約30万年から9万年前の間の火山活動によって形づくられており、特に9万年前の破局的噴火では熊本県と九州の広い範囲が火砕流で覆いつくされました。阿蘇くまもと空港から南の方向を眺めると、その火山活動の痕跡が景色の中に刻まれています。阿蘇の外輪山に降った雨は火山活動によって形成された積層構造体を通り中腹や麓近くで湧き水となって現れます。その一つが水前寺公園の池や江津湖で、私たちの生活に豊かな恵みを与えてくれます。熊本の水は阿蘇とその外輪山を中心とした巨大な浄水器によって作られたものと考えることもできます。そのため、熊本県は、環境省の「昭和の名水百選」と「平成の名水百選」を合わせて8箇所が認定され、その数は富山県と並び全国トップとなっています。また、熊本市の水道水は100%地下水で賄われていることもあり、厚生省(現:厚生労働省)の「おいしい水」研究会において上位に選ばれています。浄水器なしに水道の蛇口からおいしい水がでてくることは、熊本に住む魅力の一つです。

おいしい水の要件については、1985年に厚生省(現厚生労働省)の「おいしい水研究会」がとりまとめてあります.

おいしい水の要件(おいしい水研究会策定)

◎蒸発残留物 30~200 mg/L おもにミネラルの含有量を示します。量が多いと苦味、渋味が増して、適度に含まれると、コクのあるまろやかな味となります。

◎硬度 10~100 mg/L ミネラルの中で量的に多いカルシウム、マグネシウムの含有量を示します。硬度の低い水はくせがなく、高いと好き嫌いがでます。

◎遊離炭酸 3~30 mg/L 水にさわやかな味を与えますが、多いと刺激が強くなります。

◎過マンガン酸カリウム消費量 3 mg/L以下 不純物や過去の汚染の指標であり、量が多いと水の味を損ないます。

◎臭気度 3以下 水源の状況により、様々な臭いがつくと不快な味がします。

◎残留塩素 0.4 mg/L以下 水にカルキ臭を与え、濃度が高いと水の味をまずくします。

◎水温 20℃以下 水温が高くなるとおいしくないと感じます。冷やすことでおいしく感じます。

熊本県内には地下水脈の上に多くの取水施設と配水施設があり、そこから地下の配管を通って各家々に供給されています。そのため、屋上に給水塔がある場合を除き水道の水温はほぼ一定で、夏は冷たく冬は暖かく感じます。

これから、「くまもとの水」シリーズで、水についてご紹介して参ります。

*「名水百選」における「名水」とは、「保全状況が良好」で「地域住民等による保全活動がある」ということであり、「そのまま飲める美味しい水」という意味ではありません。飲用には煮沸が必要とされているものもあり、紹介されている名水すべてが保健所等による水質検査が行われているものでもありません。飲用等にあたっては、検査機関での水質検査をお勧めします。



鍋ケ滝(熊本県小国町 9万年前の阿蘇の巨大噴火で形成されたと言われています)

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