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穀物の品種

アミラーゼ活性

アミラーゼについて

​アミラーゼは、でんぷんを加水分解する酵素で、唾液や膵液などの生体試料、あるいは大根など植物、麹菌や枯草菌など様々なに含まれいます。アミラーゼは、食品工業、繊維、製紙産業などの分野で広く利用されています。

​アミラーゼは糖質であるデンプン等のグルコシド結合を加水分解する酵素で、動物では唾液や膵液に、植物ではダイコンなどに含まれています。また、麹菌や枯草菌などにも含まれ、高峰譲吉が商品化したアミラーゼであるタカジアスターゼは麹菌から取り出されたものです。アミラーゼにはα-アミラーゼ、β-アミラーゼ、イソアミラーゼ、グルコアミラーゼなどの異性体があり、α-アミラーゼは、デンプンをデキストラン、オリゴ糖に加水分解し、β-アミラーゼはマルトースを生成し、グルコアミラーゼは糖化型アミラーゼとも呼ばれ、デキストラン、オリゴ糖をブドウ糖に分解します。α、βの分類は、生成する糖類の旋光性によるものです。下にアミラーゼによる加水分解反応生成物を示します。

アミラーゼによる加水分解反応

アミラーゼ活性とは

​アミラーゼ活性は、アミラーゼの酵素としての触媒作用の度合いを指します。アミラーゼ活性分析では、検体がでんぷんを分解する速度の度合いを測定することで、アミラーゼ活性を評価します。

アミラーゼ活性分析の活用例

食品工業

  食品(パンなどのでんぷんを含む食品)の品質管理、品質向上

  機能性食品の開発

  品質トラブルの原因調査(風味などの変化など)

 

洗剤

 でんぷん汚れに対応した洗剤の評価や試験

繊維工業

医療・診断分野

バイオエタノール・バイオマス関連

アミラーゼ活性分析の原理

サンプル中のアミラーゼ活性分析原理を下図イラストで示します。アミラーゼ活性があるとデンプンが分解されます。デンプンの量はヨウ素デンプン反応で求めることができます。ヨウ素分子はらせん状のデンプンに包み込まれヨウ素分子が直線状に並ぶことで紫色を示します(ヨウ素デンプン反応)。アミラーゼでデンプンが切断されると、ヨウ素がデンプンに包み込まれる量が少なくなります(下模式図)。その変化量を吸光度測定により求め活性値を算定します。

アミラーゼ活性分析の原理

アミラーゼ活性測定法

アミラーゼ活性を測定する一般的な方法としては、デンプン溶液に抽出した酵素液を添加し、正確な温度及び時間で酵素反応を行います。その後、経時的に反応液をヨウ素溶液に混合させ青色の吸光度を測ります。吸光度の減少量からアミラーゼ活性を求めます。一般的な分析の流れを下図に示します。

基質水溶液(1%デンプン)

  ⇩

   ←pH調整(pH5.0)

  ⇩

   ←酵素液(被検体抽出物溶液)添加

  ⇩

   ←インキュベーション

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   ←経時的に反応液をヨウ素溶液に混合

  ⇩

   ←670nmの透過率が66%を超えるまで測定

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活性値変換(ユニット*/g、ml等)

*40℃において30分間に1%デンプン溶液1 mLをヨウ素呈色度が670 nmで66%の透過率を与えるまで分解する酵素活性を1ユニットと定義

アミラーゼ活性値の定義

アミラーゼ活性値はユニットで表記されます。1ユニットは、「検体を含むデンプン溶液を40℃で30分間インキュベートしヨウ素を加えた時の発色量がデンプン溶液の発色量の66%になるときのアミラーゼ活性値を1ユニットとする」と定義しています。

アミラーゼ活性の低い検体の分析

アミラーゼ活性が低く、サンプル液を高濃度に調整しても規定条件のインキュベーションでは吸光度が66%に到達しないサンプルでは、時間を延ばして吸光度変化を観察する、あるいは、サンプル液を限外ろ過膜などで濃縮し、サンプル液の酵素濃度を上げる、デンプン液に対してサンプル液の比率を大きくするなどの方法で活性を確認することも可能です。また、アミラーゼによって生じる還元糖量の増加を指標とした分析も行っています。

アミラーゼ残存活性の分析

食品を酵素で処理して加工した後に、加工品にどれくらいの酵素活性が残存しているかを確認する必要がある場合があります。処理前後での酵素活性を測定すると、その処理工程(加熱処理など)によって、酵素活性がどれくらい失われたかがわかります。また、加熱時間を変え酵素活性を測定し酵素の安定性を評価することにより、目標とする活性値以下にするための加熱時間を設定することができます。加工品が従来の性状と異なる事案が発生した場合、原因を探るために関連する酵素活性を測定することで解決できる可能性があります。

試料例

・ 食品原料、加工品、発酵食品、機能性食品、飲料、果汁、搾汁、加工残渣、加熱
  処理試料(残存活性確認)


・ 菌、発酵試料
 

・ 排液、処理液
 

・ その他、酵素活性が不明な試料(酵素活性有無の確認)

分析事例
 穀物
​■ 加工食品
​■ 機能性食品

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