水質の指標シリーズ6)

 

​ジェオスミン、2-メチルイソボルネオール

聞きなれない化合物名かと思いますが、ジェオスミン(ゲオスミン:geosmin)と2-メチルイソボルネオール(2-Methylisoborneol)は水道水などの飲料水の分析項目です。それぞれ0.01 µg/L(0.01 ppm)以下と定められています。ジェオスミンは藻類や放線菌が作り出す化合物で、泥臭さ(どぶ臭さ)の原因となる物質、2-メチルイソボルネオールは藻類が作り出す化合物で藻類が繁殖した水槽の臭いに関わる物質です。いずれも、不快なにおいで私達が感知できる濃度も極めて低いことが分かっています。熊本市は地下水を原水として用いているので、まず検出されることはありませんが、河川水や湖沼水を原水にしている場合は、季節によって臭いが強くなることがあり、水道水に対する苦情の原因物質です。下に示すように、環状炭化水素構造の三級アルコールです。ジェオスミン、2-メチルイソボルネオールに不快な臭いを感じるのは何か理由があることかと思われますが、とくに強い毒性があるとの情報はないようです。臭いの閾値が低い化合物には、トリエチルアミン、n-吉草酸、酪酸などがありますが、ジェオスミンはそれらよりもさらに低く、0.0065 ppmとのデータがあります。くさい物質の代表格であるメチルメルカプタンは0.07 ppmなので、ジェオスミンはその1/10程度の濃度でも臭気を感じることができるということです。ただ、においの閾値は人や環境、状況、他の臭気成分の混在などによって大きく変化しますので、誰もが常に閾値以上で臭いを感じるわけではありません。

 

参考資料)

永田好男、竹内教文、三点比較式臭袋法による臭気物質の閾値測定結果、第29回大気汚染学会講演要旨集、528,(1988).

Leonardos, G., D., Kendall and N. Barnard:Odor threshold determination of 53 odorant chemicals, J. of APCA., 19(2),91-95,(1969).