水質の指標シリーズ2)

 

COD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)について

CODもBOD(Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸素要求量)同様、有機物による水質の汚染度を表す指標の一つですが、BODとCODは、分析方法と適用される水域が異なります。有機物質量を測定するにあたり、BODは微生物を用い、CODは酸化物(過マンガン酸カリウム)を用いていること、水域については、BODは河川、CODは湖沼と海域が対象となっています。事業場からの排水にもBODとCODの規制値があり、BODの排水基準は、河川など海域及び湖沼以外の公共用水域に排出される排出水に限って適用し、CODの排水基準は、海域及び湖沼に排出される排出水に限って適用するとされています。水道法では有機物量を測るのに全有機炭素量(TOC:Total Organic Carbon)が用いられています。

 

CODの測定には、有機物の酸化剤として過マンガン酸カリウムが用いられています。過マンガン酸カリウムの酸化力は、重クロム酸カリウムより弱いのですが、当時、六価クロの環境汚染が取りざたされていた背景もあり、過マンガン酸カリウムが採用されたようです。加熱は有機物の酸化を促進させるための操作です。

 

以下、COD測定の流れを示します。

  1. 三角フラスコに検体を100 ml分取します。

  2. サンプルに硫酸(1+2)10 mlと硝酸銀溶液(200g/l)5 mlを加えます。

  3. 5 mmol/l過マンガン酸カリウム溶液を10 ml加えます。(赤色)

  4. 沸騰水浴で30分間加熱します。(有機物により退色)

  5. 12.5 mmol/lシュウ酸ナトリウム水溶液を加えます。(赤色から無色へ)

  6. 5 mmol/l過マンガン酸カリウム溶液で滴定します。(写真)

  7. 滴定量から有機物の量を計算します。

 

塩化物イオンは過マンガン酸を消費し測定値に誤差を与えるので、硝酸銀を加え塩化銀の沈澱にして除去します。銀塩は過マンガン酸による酸化の触媒の機能も持っています。

 

分析時の反応は以下の化学式に沿って進みます。

1)試料の酸化反応

     KMnO+ 8H^+ + 5e → Mn^2+ + 4H2O + K^

     3Mn^2+ + 2KMnO+ 2H2O → 5MnO2 + 4H^ + 2K^

2)シュウ酸との反応

     2KMnO+ 5Na2C2O4 + 16H^→ 2Mn^2+ + 10CO2 + 8H2O + 2K^ + 10Na^

     MnO+ Na2C2O+ 4H^→ Mn^2+ + 2CO+ 2H2O + 2Na^

3)滴定時の反応

     5Na2C2O+ 2KMnO+ 16H^ → 2Mn^2+ + 10CO2 + 8H2O + 10Na^ + 2K^

*硫酸イオンや硝酸イオンが含まれているため、加える試薬以外の陰イオンは記載してないことをお断りしておきます。

また、"^"は右隣りの文字が上付きになることを示します。

COD値の算出のための計算式です。

 CODMn(mg/L)=(a-b)× f × 1000/V × 0.2

  a:滴定に用いた5 mM 過マンガン酸カリウム溶液量(ml)

  b:ブランクの滴定に要した 5 mM過マンガン酸カリウム溶液量(ml)

  f:5 mM 過マンガン酸カリウム溶液のファクター

  V:試料の量(ml)

  0.2:5 mM 過マンガン酸カリウム溶液 1 ml の酸素相当量(mg)

 

CODとBOD値の関連性については、鹿児島県食の安全推進課の方々の資料がありますのでご覧ください。

事業場排水のCODとBODの関係性について

 

河川や湖沼、海域は我々の身近にあり水道水や農業用水などの水資源として、また食物供給のための源として極めて重要です。人々が安全で豊かな生活を継続するためにも、汚染させないよう私達個人のレベルでできることを確実に実行していきたいものです。

 

次回は、SS(Suspended Solids:浮遊物質量)についてご紹介する予定です。

COD、BOD等、水質分析につきましては、環境水分析のサイト(排水検査環境水調査でご案内しています。