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自然医学

抗酸化能測定-ラジカル消去活性分析

各種サンプルの抗酸化能測定方法をご提案します。

・サンプルに抗酸化活性があるかどうかを知りたい

・サンプルの抗酸化活性を数値化(ユニット/重量、容量)したい

 

WST法による測定

DPPH法による測定

はじめに

呼吸や様々な外的要因により発生した活性酸素の多くは反応性が高く、DNAや酵素などのタンパク質に結合することにより、結果として生体機能を低下させ、各種疾病の発生や老化を促進させることが分かっています。これらのストレスに対する防御作用(抗酸化能)を持つ物質は多数報告されており、SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ:Superoxide Disumutase)は、そのような物質の一つです。SODはスーパーオキサイドを過酸化水素と酸素に不均化分解することで、その毒性を低減し、過酸化水素はカタラーゼなどの酵素により水と酸素に分解され無毒化されます。​

 

近年、食品の持つ抗酸化能を利用した健康維持、疾病の予防に関する研究が注目を集めています。生体は極めて複雑なシステムが共同して機能しており、体内の微生物の働きの重要性が議論されています。食品は栄養を摂取すると同時に微生物にも影響を与えるため、その抗酸化能は体内微生物の菌叢にも関与することが考えられます。食品の持つラジカル消去活性を最も簡単に評価する方法として捉えることができます。

抗酸化能の測定には数多くの方法が知られています。いずれの方法もラジカルの消去活性を測るものでラジカル量をESR(電子スピン共鳴)装置で測定する、あるいはラジカル色素やラジカルと反応して発色する色素の吸光度変化で測定するといった方法があります。基本的には、ラジカル量の変化を見るという点では同一ですが、抗酸化能の一般的な表記方法として、ラジカルの半分を消去する活性(IC50)を1ユニットと定義されますので、それぞれの方法で測定した値で比較することになります。ユニット値の求め方を図1に示します。従って、異なる方法で測定した抗酸化能のユニット値は比較できません。ただ、ユニット数が規定されているSODを用いて検量線を作成し、活性を測定したい物質のユニット数を検量線から求めることは可能です。弊社では、WST-1によるSOD様活性分析、DPPHによる抗酸化能分析を行っています。それぞれの分析方法についてご紹介いたします。

ユニット算定方法

サンプル1 gをバッファー100 mlに溶解してサンプル溶液として用い、分析のための試薬溶液中にサンプルを10%含む(例えば、試薬溶液が0.9 ml、サンプル溶液が0.1 mlの場合)、その希釈倍率がA倍の時のユニット数は以下の式で計算されます。

​サンプル1 g中の抗酸化活性(U/g)=A x 10 x 100

抗酸化能ユニット2

WST-1によるSOD様活性測定法

SOD様活性とは、スーパーオキサイド(O2アニオンラジカル)の消去活性であり、スーパーオキサイドと反応して発色するWST-1を用いて測定します。分析の方法は、キサンテンーキサンテンオキシダーゼによりスーパーオキサイドを発生させ、それを活性測定したいサンプルによって消去された量をWST-1ホルマザンの発色量から求め、消去量を算出するものです。この場合1ユニットは、「WST還元の50%阻害を示すサンプル20 µLに含まれているSOD様活性」と定義されます。WSTによるSOD様活性測定についてはコチラをご覧ください。

SOD様活性測定図
DPPH原理図

DPPHによるラジカル消去活性測定法

DPPHは色素ラジカルで、ラジカルが消去されることにより吸光度が減少します。そのため、サンプル中の抗酸化性物質と反応してDPPHが失われる(還元型DPPHになる)ことで、抗酸化能を測ることができます。抗酸化物質であるトロロックスを標品とすることで、トロロックス等価活性(TEAC:Trolox-Equivalent Antioxidant Capacity)値として表示されます。DPPH法分析についてはコチラをご覧ください。

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